浦山クライミングスクール
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浦山クライミングスクール | Q&A

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登山は危険?

 登山、特に冬山や岩登りは危険な行為だと思われているようです。
  遭難!と云うと転落や宙吊り、雪崩などを連想する事とおもいます。
  しかし実際の遭難事故は大半が道迷いや転倒によるもので登山技術や用具の発達した現在ではクライミングの事故は大幅に減っています。
  また最近は登山技術を身につけていない無所属の登山者が冬山での初歩的ミスから起こす事故や無資格ガイドによる無責任な事故が増えています。この様なケースでは訴訟問題も発生しているので、初心者同士でパーティを組む場合は特に注意が必要です。リーダーの責任については、事故が発生するまで認識していない場合が多いのも残念な事です。
  登山中の事故は決して運によるものではなく、技術不足、指導力の不足などに由来するものです。これ等の技術を身に付けて、さらに適切な判断ができれば登山は危険な行為ではありません。

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安全な登山とは?

 たとえハイキングであっても基本的な登山技術、緊急時の対処などは身につけておくべきです。
  また初心者だけの登山は避け、熟達者の指導を受けるべきです。
  プロの指導の下で安全圏内の登山を行っている限り、たとえ冬山の岩壁登攀であっても初心者のみのハイキングよりは安全だといえるでしょう。

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ベテランは熟達者?

 経験の長い人をベテランと呼びますが、ベテランは必ずしも熟達者とは限りません。
  登山経験30年と云っても,年に2・3回のハイキングしか行っていない人と、たとえ2〜3年の経験でも充分に指導を受けた人とでは技術にも経験にも大きな差があります。

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谷川岳,穂高のクライミングができるまでどれ位かかるの?

 谷川岳や穂高岳,剣岳などの中級山岳でクライミングする事を「本番」「ホンチャン」などと呼びますが,本格的登山を志す人にとってこの「ホンチャン」は最初の目標になるものと思います。
  ではハイキングから始めて,「ホンチャン」に至るまでいったいどれ位の時間がかかるのか。どれ位お金がかかるのか。第一,特殊な才能を持たない自分にそんな所が登れるのか。
最初は誰でもそのあたりを知りたいのではないでしょうか。

  例を挙げてご説明しましょう。(シミュレーション)
グループでのハイキングをおこなっていたA子さん。

  A子さんは去年の夏,職場のハイキンググループのメンバーに誘われて槍ヶ岳に登ったのがきっかけでその後,月1回くらいのペースで奥多摩や丹沢のハイキングを行っていた53歳。
  今年の夏は白馬岳に行ってきました。秋にはロープウェイを利用して天神尾根から谷川岳に登ってきました。
  その時観た,一の倉沢の大岩壁。
  あんなところを登れるのは超一流の登山家だけだと思っていたら,グループの仲間から「練習すればガイド登山で登れるらしいよ」と教えられました。
  A子さんの基本データは登山歴1年半。登山経験:中級山岳ハイキング3回(小屋泊まり2回),近郊のハイキング9回です。歩行速度はガイドブックの歩行時間と同じ程度です。
  グループの登山では歩行の遅い人もいるのでもう少し余分にかかっています。学生時代からスポーツは苦手でした。
  さてスクールに問合せがあったのは11月の終わりです。「とりあえず来週末に体験クライミングをやってみましょう」と言う事になりました。
  場所は日和田山。西武線の高麗駅から歩いて30分ほどです。
  ハーネス(安全ベルト)に上から垂れたロープを結びつけて,登ると同時にロープが引き上げられます。一度『ぶらさがってみて下さい』と云われたけれど,怖くてなかなか手が離せません。
  勇気を出してぶら下がってみると,全然こわい事はありません。「なあんだ」とおもいきり登る事ができました。
  すごい岩壁を登った様な気がした様ですが,実際には高さ15m位で50度位の傾斜の岩です。
  ロープの結び方などを習いましたが,すぐに解らなくなってしまった様です。今後半年の間,繰り返し練習する事によって身に付くと言われて少し安心した様です。

スクールで以下の様なプランを立てました。
12月〜3月 日和田山クライミング練習4回(月1回の割り)
4月〜5月 マルチピッチクライミング練習2回(月1回の割り)
        奥多摩 越沢バットレス1回,三つ峠山1回

購入した装備:ハーネス,シューズ,ヘルメット,カラビナ6枚,クライミングテープ7本、下降器,確保器 (合計4万円)
講習費用,保険料:7万3千円
その他:食費,交通費など

6月の入梅前にいよいよ谷川岳・一の倉沢烏帽子南稜です。
スケールは大きいものの,練習の時よりずっと簡単に感じた様です。

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参加したいけれど,ちょっと心配…

まず,自分の目指す目的を決めましょう。
当スクールは,岩壁をよじ登るだけのスクールではありません。鎖場を安全に通過したい。冬の低山を歩いてみたい。と言った目標でも全く問題ありません。
スクールでは個人の体力,レベル,目標に合わせたプランを作成します。 『自分は体力も技術もないから恥かしい』などと思わないで気軽にご相談ください。登山の専門用語や知識が無いと参加できないと思っている方も意外と多い様ですがその様な事もありません。

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岩登りは興味があるけれど,自分には無理?

  『あんな岩壁が自分にも登れるのだろうか?』 『登れるにしても,きっと努力も時間もたっぷりかかるのではないだろうか?』 『興味はあるけれど,自分には縁のない世界かもしれない』 そんな風に考えている人がほとんどではないかとおもいます。

 
岩を登ると云う行為は「限られた人の特殊な技術」と思われがちですが,実は歩行の延長の様なものなのです。 もちろん人によって得手,不得手はありますが,ハイキングができる人であれば殆どクライミングも可能です。 これは,極端に云えば歩く事ができればよじ登る事も可能だと云う事です。

『歩く事はできるけど,よじ登る力は自分にはない』 と思われるかも知れません。 スポーツクライミングの世界では,確かに特殊な筋肉の使い方をしますが,腕力に頼って登っている訳ではなく基本的に足に体重をかけています。 山岳で展開するクライミングは腕の力を殆ど使いません。慣れないうちは,つい腕力に頼ってしまいがちですが,腕力には限界があるので,じきに力を使わない登り方になってきます。

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練習中に岩から落ちたらどうなるの?

  『岩から落ちたら谷底へ落ちてしまうのでは?』
  『宙吊りになって動けなくなってしまうのでは?』

 その様な心配はいりません。練習の時,実際に意識的に落ちる練習をします。もちろんロープで繋がっているので宙吊りになります。

 しかし,ロープ操作で引き上げる事もゆっくり下ろす事もできます。また,ハーネスと呼ばれる安全ベルトを装着しているので,締め付けられる事もありません。

 30年以上前は,岩から落ちる事は致命的な問題でした。宙吊りになった場合も引き上げる技術が無く,これも致命的な問題でした。 しかし現在は道具も技術も発達し,落ちる事を前提で登る。また,落ちながら登りきる。などが日常的な技術になっています。

 現在のスポーツクライミングでは,落ちる事は敗北ではなく登るための過程とさえなっています。 山岳で展開するクライミングも,このスポーツクライミングの方法で練習を重ねます。

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冬山へ行ってみたいけど,なだれが怖い?

 僅かでも雪の積もった斜面では,なだれの可能性は必ずあります。実際にスキー場でもなだれによる事故が毎年の様に発生しています。

では,冬山は常になだれとの賭けなのかと云えばそうではありません。  先ず,樹林の茂っている斜面ではなだれの可能性はありません。初心者の方は先ず雪の樹林帯を登る事からはじめます。

 また,雪に対する充分な知識と天候判断ができれば,なだれの通り道と呼ばれる場所でも安全に通過できます。 これは積雪状態,気温,過去の雪の状態により判断します。

 しかし,樹林の無い斜面では「絶対になだれは起こらない」と云う補償はありません。登山行為そのものがなだれを誘発する場合もあるのです。

 北アルプスや沢筋の冬季登山などではガイドのみならず参加者自身の経験が不可欠になります。 当スクールでは,この様なリスクのある登山を行う場合にはメンバーを限定します。充分な経験を持たない方は依頼されてもガイドいたしません。スクーリングで充分な経験を積んでいただきます。

 スクールで行う冬期登山は外的危険(なだれ,猛吹雪など)の少ない場所に限定しています。

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