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日和田山重大事故統計と考察

日和田山重大事故統計と考察

「日和田山」この小さな岩場ではあまりに重大事故が多く、直近の死亡事故は日和田でよくお会いする方でした。

楽しくそして安全に登るためにも、この岩場の傾向を知るのは大切と考えます。

日和田の岩場での事故防止を願って、埼玉県警の山岳遭難発生状況の統計、および直接警察に電話して考察をまとめました。
話をうかがった担当の方の所感は、「ヘルメットをかぶって安全に登ってくださいね」との事でした。

日和田に限りませんが、私は懸垂下降の失敗で死亡した登攀者を2度ほど見ています。
何もしなければ、皆さん心に思っているだけで時間がたつとまた同じ事故が起きる可能性があります。

安全に登るため、事故のパターンを見てみましょう。

日和田での事故状況

2015年以降の日和田での事故状況です。

発生年 発生日 性別・年代 死傷別 PT構成 状況(備考)
2019年 4月7日 男性 50代 死亡 単独 クライミング中、何れかの理由により岩場に転落(単独懸垂下降の失敗?)
2018年 11月30日 男性 60代 重症 単独 クライミング中、登行器が正常に作動せず転落(アッセンダー装着不備?)
2018年 4月16日 女性 40代 重症 2人 リードクライミング中、足を滑らせ転落
2016年 日付不明 男女 60代 重症 2人(以上) クリップ時にビレーとの連携不足
2015年 日付不明 男性 60代 重症 単独 セルフビレー忘れ
2015年 日付不明 男性 60代 死亡 単独 片付中と思われる?

2017年は重大事故は発生していません。

【参考】
埼玉県警察 山岳遭難発生状況
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/d0010/kurashi/sangakujyoho.html

埼玉県警察 山岳救助隊ニュース
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/d0010/kurashi/kyujotainews.html

※上記参考元の情報と、電話で確認していますが、もし誤りがありましたら訂正しますのでご連絡ください。

考察

事故統計の記録として傾向を見るには対象の件数が少ないのですが、単独での事故が多く発生しています。
単独登攀の事故原因は、単独ゆえに推測だそうですが、重大事故に直結してしまいます。
事故防止になればと考えて考察をまとめました。

2015年以降、6件の重大事故のうち
(1)パーティー構成
 単独:4件
 ビレーヤー有:2件

(2)性別
 男性:5件
 女性:1件

(3)年代
 40代:1件
 50代:1件
 60代:4件

⇒6件中4件の事故は「男性」「50代以上」の方が「単独」登攀中に起きていることがわかります。

注意喚起としましては・・・

  1. 「単独」セルフチェックのみになりダブルチェックがないためリスクが高く、事故原因も不明な場合が多い
  2. 「男性」特に単独登攀に男性が多いことも原因ですが、男女比では男性の事故件数が多い
  3. 「中級者」事故状況から、初心者よりも中級者以上(高年齢)で重大事故が多く、慣れからの油断に注意

日和田で楽しく登攀を楽しむために一助になればと考え調べました。
皆さんやはり資料から何かを感じていただけるのではないでしょうか。
どうかこの3点を常に心の片隅に置いて、登攀を続けていただきたいと切に願います。

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